投資用語が全然頭に入って来ない
投資をはじめたばかりの頃、つまづくポイントに「PER」や「ROE」といった投資用語に苦手意識を持ってしまうことが上げられますね。
「英語」の「略字」というだけでもわかりづらいのに、意味を調べてみても、何のことを言っているのかなかなかパッとはイメージできないものばかりです。
「それがどうした?」と思わず聞いてしまったくなるものも多いです。
私も投資をはじめたばかりの頃に苦労をしました。一度調べて理解したはずなのに、しばらくたつと忘れている。全然、頭に残っていないのです。
今回の記事では、一見、内容が無味乾燥に思える「投資用語」の中から特に大事なもの6ヶに絞って、わかりやすい図解にしました。
- イメージで、全体像をとらえる
- 数字によって何が表されているか?
- 数字の求め方、適正な範囲を知る
頭に残らないのは「何をやっているのかイメージがつかない」ことと、「何の役に立つのか実感がない」ためです。
図解はなるべくコンパクトにし、パッと見の視覚で伝わるように工夫をしました。また、それらの投資用語を優良企業を見極める「ファンダメンタル分析」に使用する方法にも触れています。
下の目次で全体像もつかめますので、この記事をブックマーク等して有効に活用してくださいね。
1.図解でわかりやすい投資用語(PERやROEを明日になっても忘れない)
1) ROE(Return On Equity:自己資本利益率)
企業が「自己資本を元にどれだけ効率的に利益を出せたか」を見る指標です。
(ROE % = 純利益 ÷ 純資産 × 100)
日本企業で10%以上、米国企業で10~20%程度が優良な企業と言えます。
2) ROA(Return On Assets:総資産利益率)
企業が「(負債を含めた)総資産を元にどれだけ効率的に利益を出せたか」を見る指標です。
(総資産 = 自己資本 + 負債)
(ROA % = 純利益 ÷ 総資産 ×100)
一般的に、ROA=5%以上で優良企業と見なせます。ROA=5%未満は、倒産リスクの要確認です。
企業が稼いだ利益を発行株式数で割って、1株当たりに換算したものです。
(EPS= 純利益 ÷ 発行済み株式数)
年を追うごとに右肩上がりの成長をしているのが理想です。
4) PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)
企業が稼いでいる利益に対して、株価が割高か割安かを見る指標です。
実際の株価が、EPS(1株当たり利益)の何倍あるかを表しています。
(PER= 株価 ÷ EPS )
東証平均はPER=14倍、正常な範囲は10~25倍、PER=30倍を超すとバブル(割高)感があります。
企業の純資産(負債を除いた資本金、自己資本)を発行済み株式数で割ったものです。
(BPS = 純資産 ÷ 発行済み株式数)
株主にとっての資産価値とも言い換えられます。
6) PBR(Price Book-value Ratio:株価純資産倍率)
現在の株価が、BPS(1株当たり純資産)の何倍の値段になっているかを見るもの。
(PBR = 株価 ÷ BPS)
東証平均は、PBR=1.2倍、PBR=0.8~1倍 程度が底値のひとつの目安となります。
2.投資指標は何のためにあるのか?
・優良企業を見分ける方法→ファンダメンタル分析
投資指標は、中長期投資家の心強いツールである「ファンダメンタル分析」で特に効果を発揮します。
例えば、長期投資家で高い実績を継続するウォーレン・バフェットさんは「ROEとEPSに注視する」と書籍(※)で語っています。
※「バフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社 2002年)
ファンダメンタル分析とは?
企業の経営や財務状態を知り、将来性を評価することです。つまり、商売が順調で、投資家に利益を還元してくれる企業かどうかを分析する手法です。
「ファンダメンタル」を日本語に訳すと「基礎的事項」となりますが、これを知るためには企業の決算報告書を詳しく調べる必要があります。
投資指標は、この企業のファンダメンタルや株価との関係を数字で簡潔にわかるようにしたものです。
投資指標を用いたファンダメンタル分析の具体的なやり方は、こちらの記事で紹介しています。
関連記事:株初心者でも実践できるファンダメンタル分析を簡単にするやり方
・(補足)株価チャートから予測→テクニカル分析
一方、ファンダメンタル分析と対になる手法に「テクニカル分析」と呼ばれるものがあります。
テクニカル分析とは?
主に「株価チャート」を統計的に分析するものです。株の値動きのよくある動き方をパターン化して、近い将来の株価を予想します。
ファンダメンタル分析が企業の力、テクニカル分析は投資家の売買の仕方に注目しています。テクニカル分析では、企業のファンダメンタル(基礎的事項)にほとんど注目しません。
短期的な投機で、投資家心理を読むような方法とも言えます。中長期投資の手法としては、あまり適していません。
3.まとめ「投資指標を味方につけよう」
投資用語や指標は、慣れないはじめのうちは、厄介な存在に思えますね。
しかし、少しずつでも触れているうちに、中長期投資家にとって心強い味方になってくれることに気が付きます。
投資で一番やってはいけないことは「根拠がないのに、何となく買う」ことです。自分の経験を振り返ってみても、損をしてしまう多くの原因はそこにありました。
投資指標は、「買うための根拠」や「買わない根拠」にすることができます。使えるものは、最大限に活用していきたいですね。
慣れるまではこの記事をブックマーク等して有効に活用してみてください。そして、記事内でも紹介しました「ファンダメンタル分析」を気になる企業について1社やってみることをおすすめします。1社やってみるだけでも、投資指標が驚くほど身近になっているはずです。