SBI証券で、クレカ積立(クレジットカード決済の投資信託の積立)が2021年6月30日より始まりました。
クレカ積立の最大のメリットは、ポイント還元されることですね。今まで、クレカ積立はポイント還元率の高さや利便性から楽天証券が優勢な状況でした。
SBI証券のクレカ積立は、楽天証券と比較してやってみる価値があるでしょうか?
クレジットカードの申込みから始め、実際の運用までの体験談をブログ記事にまとめていこうと思います。「SBI証券のクレカ積立が気になるなあ・・・」と感じている人に役立つ内容です。
※2021年8月10日現在、初回積立(8月2日買付け)が完了した状態です。
現段階までの実感をまとめると、
《既にSBI証券で投信積立している人》
・支払いをクレカに変更する価値あり
・Vポイント還元0.5%(最大5万円/月まで、年会費無料カードの場合)
※キャンペーン期間中(積立の設定 2021年6月30日~12月10日)「0.5→1.5%」還元
《これから投信積立を始めたい人》
・楽天証券+楽天カードの方がポイント還元率は高い
※年会費無料カードで比較した場合。楽天ポイント1%還元(最大5万円/月まで)
《5万円/月以上の投信積立をしたい人》
・SBI証券+三井住友カード、楽天証券+楽天カードの併用も選択肢になる
私は現在、複数の証券会社で2,000万円以上をこつこつ運用し、月に換算すると8~10万円くらいの実績でぼちぼち暮らしています。今までの投資経験とも照らし合わせながら、SBI証券でクレカ積立をする際の「注意点やポイント」をまとめていこうと思います。
例えば、年会費無料カード、ゴールドカード、プラチナカードでポイント還元率の内容が変わってきます。上記は「年会費無料」のカードで比較した結果ですが、記事では詳細の比較もしています。
また、スタートダッシュキャンペーンで「0.5%→1.5%還元」になる点も注目ですね。少なくとも期間中は積立を継続し、やってみてわかったことをこの記事に追記していきます。
下の目次を眺めるだけでも要点がわかるようになっています。気になる項目があればチェックしてみてください。
Contents
1.SBI証券のクレカ積立 概要(対象カードなど)
・クレカ積立の詳細や、Vポイント還元について
SBI証券のクレカ積立は、投資信託の積立を「三井住友カード」でクレジットカード決済するサービスです。SMBCグループの共通ポイントである「Vポイント」を貯めることができます。
内容 | ||
利用範囲 | SBI証券で扱っている投資信託の積立(月単位) | |
預かり区分 | 特定、一般、NISA、つみたてNISA(ジュニアNISA対象外) | |
決済カード | 三井住友カードが発行するクレジットカード(詳細後述) | |
ポイント還元率 | Vポイント | |
スタンダードカード、 年会費無料(NLカード) | 0.5% | |
ゴールドカード | 1.0% | |
プラチナカード | 2.0% | |
最大買付け金額 | 月5万円まで | |
買付けタイミング | 10日締切り、翌月1日買付け |
NISAやつみたてNISAでも利用できるのは大きなメリットですね。「投資利益が非課税」+「ポイント還元」によって、投資利率の向上が大きく期待できます。
付与されるVポイントは、コンビニやネットショッピングで幅広く利用することが可能です。一点、残念なのは、現状で「ポイント投資」に利用できないことです。
今後、SBI証券の投資信託の買付に利用出来る「Vポイント投資」が予定されていますが、開始時期は不明です(ポイント投資の詳細は、後述をご覧ください)
・対象カード「三井住友カード」について
主な三井住友カードには、下表のような種類があり、全て「クレカ積立」の対象です。
表以外も「三井住友カード」が発行したクレジットカード(提携カード含む※)であれば利用できます。但し、Vポイント以外のポイント付与のあるクレジットカードは、投信積立の決済に利用することはできますが、Vポイント還元の対象外となるので注意ですね。
※家族カード、銀聯カード、ビジネスカード、コーポレートカード、デビットカード、プリペイドカードなどは対象外
名称 | 年会費 | 特徴 |
スタンダード | ||
三井住友カード(NL) | 永年無料 |
ナンバーレスカード 満18歳以上対象 |
三井住友カード(学生) | 在学中無料 | 満18歳以上の学生対象(高校生は除く) |
三井住友カード デビュープラス |
1,375円(税込) ※初年度年会費無料 |
満18歳~25歳まで対象(高校生は除く) ※26歳以降、プライムゴールドへ切り替り |
三井住友カード |
1,375円(税込) ※初年度年会費無料 (要ネット申込み) |
スタンダードなクラッシックカード 満18歳以上対象 |
プレミアム | ||
三井住友カード プライムゴールド |
5,500円(税込) ※初年度年会費無料 |
空港ラウンジサービス等の特典 満20歳~30歳未満対象 |
三井住友カード ゴールド |
11,000円(税込) ※初年度年会費無料 (要ネット申込み) |
空港ラウンジサービス等の特典 満30歳以上対象 |
三井住友カード プラチナプリファード | 33,000円(税込) |
ゴールド特典に加え、Vポイント還元率1%(※1)など 満20歳以上対象 |
三井住友カード プラチナ | 55,000円(税込) | 満30歳以上対象 |
※公式サイト:三井住友カード「クレジットカード一覧」
クレカ積立の専用にこれから作成するのであれば、三井住友カード(NL)が適当でしょうか。年会費無料で作りやすいため、私もこのカードを作成しました。ゴールドやプラチナカードの方が、ポイント還元率は高いですが、他に使用目的がないのであれば年会費がムダになってしまいますね。
《三井住友カード(NL)の特徴》
・NLは「ナンバーレス」の略
・カードにカード番号の記載なくセキュリティ向上
・通常のカードと同じように利用可
※カード番号はアプリやサイトで確認できる
・年会費無料
・「新規入会キャンペーン」「スタートダッシュキャンペーン」について
SBI証券のクレカ積立を始めるにあたって、利用したいキャンペーンが2つあります。
新規入会キャンペーン
三井住友カードの新規入会者を対象にしたキャンペーンです。カード作成月+2ヶ月後末まで、毎月最大20%ポイント還元されます。
新規入会キャンペーン概要
・期間
カード作成月+2ヶ月後末まで
例)6月にカード発行 → 8月31日利用分まで
・還元率
月利用額の20%(期間中の付与合計 5,000ポイントまで)
・対象カード
三井住友カード(NL)
三井住友カード
三井住友カード デビュープラス
三井住友カード RevoStyle
三井住友カード プライムゴールド
三井住友カード ゴールド
三井住友カード プラチナ
スタートダッシュキャンペーン
SBI証券のクレカ積立のスタートを記念して、スタートダッシュキャンペーンが行われます。期間中は、三井住友カードを利用したクレカ積立で、還元率「+1.0%」となる魅力的な内容です。
スタートダッシュキャンペーン概要
・ポイント還元率「+1.0%」アップ
《スタンダード、年会費無料(NLカード)》通常0.5% → 1.5%
《ゴールドカード》通常1.0% → 2.0%
《プラチナカード》通常2.0% → 3.0%
・対象期間
2021年6月30日~12月10日まで積立の設定
※2021年8月2日(月)~2022年1月4日(火)までの買付け最大6回
・最大付与ポイント
4,500ポイント(月5万円を6回買付けした場合)
公式情報:スタードダッシュキャンペーン
SBI証券のクレカ積立では、支払い設定が毎月10日締め、買い付けは翌月1日となるため、期間中の最大買付け回数は6回になりますね。
年会費無料のNLカードの場合、
買付け上限5万円×1.5% ×6回 = 最大4500ポイント
になります。
上記2つのキャンペーンを組み合わせることで、初年度のポイント還元が1万ポイントを超えることも可能ではないでしょうか。
2.SBI証券のクレカ積立 やってみた
・投資信託の買付け結果(運用実績)
現在(21.08.10)、SBI証券でクレカ積立がスタートし、8月2日の初回買付けが完了しています。結果は次のようになりました。
資産残高:25,270円
投資額:25,000円
評価損益(利益率):+270円(+1.06%)
ポイント還元:375P
ポイント込み損益(利益率):+645円(+2.58%)

SBI証券のクレカ積立 初回(8月)の結果 ※表示結果に1円程のズレ有り

スタートダッシュキャンペーンで還元率1.5%です
銘柄名 | 買付け金額/月 | 資産残高 | 損益 | 損益率 |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 10,000円 | 10,013円 | +13円 | +0.13% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 8,000円 | 8,118円 | +118円 | +1.47% |
大和-iFree Next NASDAQ100インデックス | 7,000円 | 7,139円 | +139円 | +1.98% |
合計 | 25,000円 | 25,270円 | +270円 | +1.08% |
ポイント還元 | 375P(還元率1.5%) | |||
ポイント込み損益 | +645円 | +2.58% |
結果はプラスとなりましたが、1回の買い付けではまだ何とも言えない状況ですね。スタートダッシュキャンペーンの「ポイント還元」は、確かに「1.5%」付与されていました。新規入会キャンペーン分はまだ付与されていません。
以下は、初回買付け時に考慮したことです。
1ヶ月あたりの積立金額:25,000円
この金額に設定した理由は「新規入会キャンペーン」の上限条件を満たすためです。
私は6月にカードを発行したので、8月末利用分まで「Vポイント20%還元(期間の合計5,000ポイントまで)」されます。
ところが、クレカ積立では買付けタイミングが月ズレするため、8月末まで実際の買付けが1回しかなく、一度に5,000ポイント貰う為に、25,000円設定(20%還元→5,000ポイント)にしました。
今後もこの金額で買付けを継続するかは、市場の値動きを見ながら決めたいと思います。高い時期にあまり多くは買いたくないですね。
買付け銘柄(買付金額の割合)
・国内株式:40%(日経平均)
・米国株式:60%(S&P500、ナスダック)
買付け銘柄は、私が楽天証券など他でも積立している中から、信託報酬が安い代表的なものを選択しました。長期で続けるかはまだ分からないので、債券やリートなどは購入せず、あまり分散投資にはしていません。
私が楽天証券で「分散投資」を意識して積立をしている銘柄の一覧は、次の記事で実績と一緒に紹介しています。ご興味のある方の参考になりましたら。
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【ブログ】楽天証券で投資信託の積立やってみた(ポイント投資)
楽天証券で投資信託の積立を2年以上こつこつ実施、実績をブログ記事にまとめました。ポートフォリオ(保有している投資信託一覧)や、ポイント投資を最大限に活用し、投資利率を1%UPさせるちょっとしたコツなども。実体験に即した初心者向けの内容です。
続きを見る
・事前準備「Vpass」の設定など
SBI証券の投資信託積立の設定画面で「決済方法→クレジットカード」が選択できるようになっています。

決済方法に「クレジットカード」が選択可
設定時に注意が必要だったのは、次の2点です
・事前に「Vpass」アカウント登録が必要
・買付けタイミングは、月1回だけ
事前に「Vpass」のアカウント登録が必要
「Vpass」とは、三井住友カードのインターネットサービスのことです。
Vポイント付与状況のほか、NL(ナンバーレス)カードの番号確認や支払い状況閲覧などができます。三井住友カードユーザーの必須サービスですね。
SBI証券で、支払いに利用するクレジットカードの登録をする際に、この「Vpass」のログインIDとパスワード入力が求められます。カード発行時に、一緒に登録方法の案内が封入されていたので、事前に登録しておきました。

Vpassは、スマホアプリで設定できます

スマホで気軽にカード情報を確認できます
買付けタイミングは、月1回だけ
クレカ積立の買付日は、毎月1日(休日の場合は翌営業日)に固定されています。設定の締切りは、前月10日です。
SBI証券の投信積立では、「毎日」「毎週」「毎月(日付指定)」「複数日(日付指定)」など、買付けタイミングを自由に設定できるメリットがありますが、クレカ積立では利用できません。

SBI証券の通常の設定画面。このような柔軟な設定が、クレカ積立では選択できません
特に、今までSBI証券で積立していた方は、従来の買付けタイミングが利用できなくなるので、注意が必要ですね。
・投信マイレージをVポイント付与にできる
SBI証券には保有している投資信託の残高や、銘柄によってポイントが獲得できる「投信マイレージ」という制度があります。
通常、このポイントは「Tポイント」で付与されますが、これからクレカ積立のスタートに伴って「Vポイント」が選択できるようになります。還元率などの条件は、Tポイントと変わりませんが、クレカ積立をする場合は「Vポイント」に統一した方が効率をアップできますね。
※2021.7.4現在、投信マイレージのVポイント選択はまだ出来ない状況です。対応開始しましたら、この記事に追記していきます
ポイント付与率 | ||
月間保有金額 | 1,000万円未満 | 1,000万円以上 |
通常銘柄 | 0.1%(年率) | 0.2%(年率) |
指定銘柄 | ファンド毎に指定された付与率 |
私が買付けしている銘柄は、全て年利0.05%でした。あまり期待せず、オマケ程度に考えておくといいかもしれませんね。次のリンクから、銘柄毎の付与率詳細がわかります。
公式情報:SBI証券の投信マイレージサービスポイント付与率一覧
3.楽天証券+楽天カードとの比較
・楽天ポイントの還元率と比較してみた
従来、クレカ積立と言えば「楽天証券+楽天カード」が優勢な状況が続いてきましたが、「SBI証券+三井住友カード」と比較してみるとどうでしょうか?
SBI証券 | 楽天証券 | ||
利用カード | 三井住友カード | 楽天カード | |
獲得ポイント | Vポイント | 楽天ポイント | |
還元率 (年会費) | スタンダードカード | 0.5% ※ (年会費無料~) | 1% (年会費無料) |
ゴールドカード | 1% ※ (5,500円~) | 1% (2,200円~) | |
プラチナカード | 2% ※ (33,000円~) | 1% (11,000円~) | |
ポイント投資 | ー | ○ | |
ポイント対象となる 買付け上限額 | 5万円/月 | 5万円/月 | |
買付け頻度 |
月1回 *10日締切り、翌月1日買付け |
月1回 *12日締切り、翌月1日買付け |
※ キャンペーン中は上記「+1.0%」期間は「2021/6/30~12/10に積立の設定」→「2021/8/2(月)~2022/1/4(火)の買付け」が相当
年会費無料カードで比較した場合、やはり楽天カードの「還元率 1%」の存在感は大きいですね。「SBI証券+三井住友カード」でも、スタートダッシュキャンペーン中は「還元率 1.5%」になりますが、買付け回数にすると6回分です。長期投資を前提とした場合、物足りなく感じるでしょうか。
楽天カードでは、「楽天SPU(スーパーポイントアッププログラム)」という制度があり、楽天グループのサービス利用状況に応じて、楽天市場のポイント還元率などがアップしていきます。ゴールドやプラチナカードであれば、アップ率もさらに上昇します。ゴールドやプラチナカードを比較する際は、やはりクレカ積立以外の利用目的があるかどうかで状況は変わってきますね。
また、楽天カード、三井住友カード共に、クレカ積立に利用できる上限額は「月5万円まで」となっています。月5万円を超えて積立をしたい場合は、両者を併用することで、ポイントを無駄なく獲得できます。
私も楽天証券での積立額が上限のため、SBI証券で追加の積立をすることにしました。ハイペースで積立を考えている人は、併用を検討してみてもいいかもしれませんね。
・ポイントの再投資について
クレカ積立で、私が注目しているものに「ポイント投資」があります。
楽天証券では、クレカ積立で獲得したポイントを翌月以降の「投信積立」に利用することができます。投資利益を再投資することで、複利の効果を期待することが出来ます。

※複利の効果:投資利益を再投資に回すことで雪だるま式に資産が増えていくこと
一ヶ月数百ポイントであっても、一年で数千ポイント、十年単位となれば数万ポイントになり、投資利率に無視できない影響があります。長期間の投資になるほど、ポイント投資による複利の効果は大きくなっていきますね。
SBI証券でも、Vポイント投資が予定されていますが、現段階で開始時期は不明です。今後発表される、詳細情報のリリースに注目していきたいと思います。
公式情報:Vポイントサービスについて
4.この記事のまとめ
・選択肢の幅が広がったクレカ積立、自分に合ったものを選ぼう
今回の記事では、SBI証券で始まるクレカ積立について、特徴や注意点をまとめてみました。
私は6月30日現在、初回積立(8月2日買付け)の設定が完了した状態です。入会キャンペーンや、スタートダッシュキャンペーンを最大限活用するためには、7月10日までに初回積立の設定をする必要があるため、結構時間が無いなあと感じました。今後、運用を継続しながら、さらにわかったことや注意点をこの記事で追記・修正を行っていきます。
《現段階のまとめ》
・SBI証券+三井住友カード(年会費無料 NLカード)
→投信積立でVポイント「0.5%還元」(5万円/月まで)
・スタートダッシュキャンペーン「1.5%還元」
※2021年6月30日~12月10日までの設定分
・新規入会キャンペーン(最大5000ポイント還元)も活用しよう
・楽天証券+楽天カードの方がポイント還元率は高い
※年会費無料カードで比較、楽天ポイント還元率 1%(5万円/月まで)
・月5万円以上の投信積立をしたい人
→「SBI証券+三井住友カード」と「楽天証券+楽天カード」の併用も選択肢
ネット証券大手のSBI証券がクレカ積立を始める意味は大きいと感じます。選択肢の幅も広がりますし、今までSBI証券で投信積立をしていた人には、純粋に嬉しい内容ですね。
ポイント還元率や自分がよく利用するカードに注目するなど、この記事がご自身の都合に合わせたクレカ積立を選択するお役に立ちますように。
それでは、最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!