株はじめての人の疑問
・誰かがおすすめしている株って本当に儲かるの?
・投資信託で投資デビューして、そろそろ個別株も検討してみたい。
・試しに株を買ってみたけど、買った途端に値下がり。やっぱり自分は投資に向いていないのかな?
これらの疑問に答えるため、今回の記事では「企業のファンダメンタル分析」について簡潔にわかりやすく解説していきます。
株式市場は、ニュースや経済指標の発表などに反応して、目まぐるしく変化しています。売上げが好調と聞けば株価は上がり、どこかの国の大統領の発言で乱高下し、事件や不祥事によって急落することも。しかし、最終的に株価は、企業が本来持っている価値に落ち着いていくはずです。その価値のことをファンダメンタル・バリューと言います。
「ファンダメンタル分析」は、ファンダメンタル・バリューを評価する方法です。一時的な株価の価格変動に一喜一憂せずに、じっくり腰を落ち着け、堅実に利益を稼ぐ中長期投資の心強いツールとなってくれます。
今回紹介する手法は、長期投資家として高い実績を継続するウォーレン・バフェットさんの書籍『バフェットの銘柄選択術』や、ペンシルバニア大学ファイナンス教授のジェレミー・シーゲルさんが書いた長期投資のバイブルと言われる『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』
の内容を現在の日本株式に応用し、結果が出せたことをまとめました。
私自身、これらの内容を実践することで、赤字続きだった株で、ようやく利益が出せるようになりました。ニュースや企業業績の発表を見る目も変わりました。
はじめての人でもこの記事を読むことで、自分で株式を選択できる、投資家として最初の自信を持ってもらえたら幸いです。
Contents
1.株初心者でもわかるファンダメンタル分析とは?
・企業の経営、財務の未来を評価すること
ファンダメンタル分析とは、企業の経営や財務状態から将来性を評価することと同じです。合併や買収で、相手企業の価値を計る「企業価値評価」とも似ています。要はその企業が未来に利益を出してくれるかが知りたいのです。
企業のファンダメンタル(基礎的な事項)で注目すべきポイントは、次の5つになります。
- 企業の競争優位性
- 右肩上がりの営業利益
- フリーキャッシュ(現金)を生んでいるか?
- 借金は多くないか?
- 収益性はどうか?
次項より、これら5つのステップについて、投資判断に特化した実践的なポイントを簡潔に解説していきます。
尚、解説で使用している企業の業績や、投資指標は「企業の公式サイトに掲載されているIR情報(投資家情報)」や「会社四季報」「証券会社の検索ツール」「投資関係の情報サイト」などで手軽に調べることができます。
※投資関係の情報サイト紹介
みんなの株式:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドが運営する、株に関するソーシャル・ネットワーキング・サービス 。
・「テクニカル分析」との違いは?
ひと言メモ
・テクニカル分析
ファンダメンタル分析の対として「テクニカル分析」という言葉があります。ファンダメンタル分析が企業の基礎的事項(経営・財務数値)に注目するのに対して、テクニカル分析は主に「株価チャート」を統計的に分析するものです。株の値動きのよくある動き方をパターン化して、近い将来の株価を予想します。
ファンダメンタル分析が企業の力、テクニカル分析は投資家の売買の仕方に注目しています。短期的な投機で、投資家心理を読むような方法とも言えます。中長期投資の手法としては、あまり適していません。
2.ファンダメンタル分析の実践5つのステップ
1) 企業の競争優位性
日本で株式を公開している企業は3,600社以上(※1)ありますが、株をはじめたばかりの個人投資家が安心して投資できる企業は限られています。そんな優良企業かどうか、選別するポイントの1つは「競争優位性」です。
※1 2020年1月27日現在 JPX(日本取引所グループ)より
自分の日常生活を思い浮かべてみてください。
- スーパーやコンビニで必ず買うものは何でしょうか?
- スマートホンやPCで必ず利用するサービスは何でしょうか?
- それは他の人も買ったり・利用しているでしょうか?
- 安い他の類似品がないでしょうか?
これらの条件を満たした商品やサービスを扱っている企業が「競争優位性」の高い企業です。消費者の購買に継続性(生活必需品や月額のサービスなど)があるとなお良いと言えます。
投資家で有名なバフェットさんはよく、自身を成功に導いた企業として「コカコーラ」や「アメリカンエクスプレスカード」「フィリップモリス(たばこ)」などを上げています。製品が世界的なシェアを持っていたり、逆に地域に密着した高いシェアを誇っている企業は競争優位性がかなり高いと見ることができます。
例題
現代の生活必需品となったスマートフォン。iPhoneを主力製品とする米アップル社は、競争優位性の高い企業と言えるでしょうか?
iPhoneは日本やアメリカで圧倒的な人気があります。限られた地域で高いブランド力を有しています。
しかし、スマートフォンには、iPhoneの他にAndroidOSを搭載した類似品があります。メーカー別の世界シェアを見ると、iPhoneは第3位で上位2社から離されてます。ここで投資家の判断が分かれ、米アップル社の株価が高くなりすぎない要因のひとつになっています。
米アップル社の競争優位性は、世界規模では主力のスマートフォンやその他ハード製品(PC、タブレット、スマートウォッチなど)だけでは低価格の類似品にシェアを奪われています。今後、スマートフォンをプラットフォームとしたソフト事業(映像やゲームなどのクラウドサービス)でどれだけ成長できるかを確認する必要があります。
2) 右肩上がりの営業利益
営業利益(売上高からコスト等を引いたもの)のグラフが右肩上がりであるか確認します。つまり商売によって、継続的な成長をしているかどうかです。
また、営業利益率(売上高に対する営業利益の割合)にも注目します。営業利益率が高ければ、商品やサービスにかかるコストが少なく、効率の良い商売をしていることになります。
営業利益率は同業種同士で比較してみるのがいいですが、おおよその目安として日本企業では営業利益率10%以上、米国企業であれば15~20%以上で、平均より効率的です。
例題
例として、日本企業の同業種である「A社」「B社」について、営業利益の推移を比較してみます。
A社の営業利益は、きれいな右肩上がりの成長を続けています。売上高に対する営業利益率も直近5年で平均18%以上をキープしていて、効率の良い商売が継続できていることが見てとれます。
一方、B社の営業利益は、グラフ上でデコボコしています。これは商売の好調・不調の波があって安定していないことを示しています。営業利益率も10%以上ではあるものの直近5年で10.4~20%と安定していません。B社については、長い目でもう少し観察が必要かもしれません。
3) フリーキャッシュ(現金)を生んでいるか
「フリーキャッシュ」とは、商売で稼いだお金から「事業維持のための投資」や「負債の返済」にかかった費用を差し引いたものです。
「フリーキャッシュ」は会社が自由に使うことのできる資金となります。潤沢なフリーキャッシュは、商売でしっかり稼いだうえで、将来のための資金を確保できている証明になります。
1年間の事業活動の結果、どれだけフリーキャッシュを生み出せたかは、財務諸表の一つ「キャッシュフロー計算書(CF)」で確認することができます。
キャッシュフロー計算書で確認するポイントは3つです。
- フリーキャッシュが生まれているか?
- 適度な投資が継続されているか?
- 財務キャッシュに極端な動きがないか?
営業利益と同じように、単年ではなく3~5年の推移を見るようにしましょう。
次の例題で、見方を具体的に解説します。
例題
前項同様に「A社」「B社」で比較をします。
下のグラフからはそれぞれ10年間の推移を見ることができます。投資キャッシュフローのうち、設備投資にかかった費用が別途表示(濃い緑)されています。
A社のグラフからは、2011年以降、毎年フリーキャッシュが発生していることが見てとれます。投資や財務キャッシュフローも、営業キャッシュフローに対して健全な範囲で推移しています。
一方、B社は2014年以降、フリーキャッシュがマイナスになっています。投資は継続されていますが、商売で稼いだ営業キャッシュフロー以上の投資額です。財務キャッシュフローは、近年大きなプラスになっており、これは借金(又は事業売却)をしたことを表しています。
B社は事業拡大のために、大きな借金と投資をしている最中と見られます。事業が安定するまで、様子を見た方が良いかもしれません。
4) 借金は多くないか?
事業活動には多くのお金が必要になります。資本金と呼ばれるお金にプラスして、会社は様々な形で資金を集め、事業活動を通した運用で利益を出すことが会社経営の本質です。
ですが行き過ぎた借金は、不景気などで商売に陰りが生じたときに、たちまち返済能力を越えてしまいます。倒産のリスクです。
企業の借金の状態を把握するには「貸借対照表(バランシシート:BS)」を見るのが一番です。
貸借対照表の左側を「借方」、右側を「貸方」と言います。貸方全体の5割以上が負債の状態は、財務が良好とは言えません。
例題
引き続き、「A社」「B社」の比較で見ていきます。
A社のバランスシートでは、右側の「貸方(負債・資本)」で、赤い負債を表す部分が全体の3割程度で推移しています。健全な財務状態と言えるでしょう。
一方、B社では赤い負債の部分が全体の7割以上で推移してしまっています。債務が心配な状態です。今後の経営に注視しながら、投資は控えておいた方が良いかもしれません。
ここまでの「競争優位性」「営業利益」「フリーキャッシュ」「借金」で見てきたように、ファンダメンタル分析の最初の段階では、内容を深く精査する必要はありません。特にグラフで把握できるものは、視覚的にざっくりと見ていきましょう。これらの条件で良好だった企業について、次項の「収益性」について検討をします。
5) 収益性はどうか?
ここで言う収益性とは、投資した結果、企業からの利益が返って来そうかを言います。株主にとって投資採算性の高い企業かどうかです。
収益に関わる投資指標で、注目したいものは「ROE」「EPS」「PER」の3つです。
ROE(Return On Equity:自己資本利益率)

企業が「自己資本を元にどれだけ効率的に利益を出せたか」を見る指標です。
(ROE % = 純利益 ÷ 純資産 × 100)
日本企業で10%以上、米国企業で10~20%程度が優良な企業と言えます。
EPS(Earning Per Share:1株当たり利益)

企業が稼いだ利益を発行株式数で割って、1株当たりに換算したものです。
(EPS= 純利益 ÷ 発行済み株式数)
年を追うごとに右肩上がりの成長をしているのが理想です。
PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)

企業が稼いでいる利益に対して、株価が割高か割安かを見る指標です。
実際の株価が、EPS(1株当たり利益)の何倍あるかを表しています。
(PER= 株価 ÷ EPS )
東証平均はPER=14倍、正常な範囲は10~25倍、PER=30倍を超すとバブル(割高)感があります。
これらの指標は「企業の公式サイトに掲載されているIR情報(投資家情報)」や「会社四季報」「証券会社の検索ツール」「投資関係の情報サイト」などで手軽に調べることができます。
※投資関係の情報サイト紹介
みんなの株式:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドが運営する、株に関するソーシャル・ネットワーキング・サービス 。「サイトトップ>銘柄検索>決算」から、各企業のROEやEPSを確認することができます。
例題
ここまで例題として見てきた「A社」と「B社」ですが、B社は「営業利益」「フリーキャッシュ」「借金」の直近5年の推移について注意が必要であることがわかりました。そこで「A社」に絞って「収益性」を検討してみます。
A社のROEは、平均15%以上と安定して優良であると言えます。EPSも順調に右肩上がりの成長を続けています。
PERの推移を見ると、1点「2018年3月期」に数値が1桁代に落ちています。これは該当時期にA社にネガティブなニュースがあり、株価が一時的に下がったものです。原因は外的要因だったため、業績には影響がなく、その後問題なく株価も戻りました。このような原因がわかっている一時的な要因は除外することで検討の精度が高まります。2018年3月期以外のPER推移から、株価が適正な範囲(PER=10~25倍)であることもわかります。
以上のことから、株式を買ってA社に投資をする価値がありそうです。
さて、ここでA社の株式を買った場合、どの程度の収益が見込めるでしょうか? 次項では、もう少し踏み込んでファンダメンタル分析をしたい人向けに「期待収益率の計算」について解説します。若干、複雑な計算が必要になりますので、とりあえず飛ばして頂いても問題ありません。
ここまでの知識でも企業を見る目が変わったと思います。さっそく実践してみたい方は、「4.ファンダメンタル分析を簡単にするツール」で便利なツールを紹介しています。参考にしてみてください。
3.投資の期待収益率を計算してみよう
・収益性の数値化で見えること
株式を買う際、投資の収益性について「数値化」すると、検討がより具体的になります。感覚で投資せずに、根拠が持てるようになります。
-
どの程度、儲かりそうか。投資する価値があるか
→ 例えば、期待収益率が5%と計算できれば、10万円の投資で収益は5千円です。収益1万円を目指すのであれば、20万円投資すればいいことがわかります。又は、もっと期待収益率が高いものへ変更する選択肢も考えられます。 -
目標(期待値)からズレたときにアクションを起こせる
→ 目標となる数値がハッキリすることでズレを意識できます。期待収益率10%を見込んでいたが、結果5%だったとなれば「目標を下げる」「買い増しして収益を上げる」「諦めて株式を売却する」など、根拠をもって行動できます。
・期待収益率の計算方法
期待収益率を計算するには、2通りの方法があります。いずれもExcelで一度計算式を設定してしまえば、数値を変えるだけで簡単に行うことができます。両方計算することで、予想のブレを抑えることもできます。
- 平均ROEから将来のBPSを予想する方法
- 今までのEPS成長度から、将来の株価を予想する方法
BPS(Book-value Per Share:1株当たり純資産)

企業の純資産(負債を除いた資本金、自己資本)を発行済み株式数で割ったものです。株主にとっての資産価値とも言い換えられます。
例題を通して、2通りの計算を具体的に見ていきます。「2.ファンダメンタル分析の実践5つのステップ」で例題としてきたA社をここでも対象とします。
例題:平均ROEから計算する
計算に必要な指標として、下のExcel画像のセルA1~A7項(ROE~現在の株価)を投資情報サイトや、A社の企業サイト(IR情報)などで準備をしています。
計算がやや複雑ですが、そういうものだと割り切って一度Excelに設定してしまえば、数値を変えるだけでどんな企業の計算にも流用できます。
※3 配当率:EPS(1株当たり純利益)から、配当金にされた割合。1株の配当金額÷EPS
※4 2018年3月期の数値は除外して計算。該当数値は、外的要因による一時的なものだったため
(1)自己資本成長率(%)
自己資本がこの先、年率いくらで成長しそうか算出する。5年平均ROEから、配当率の5年平均値を割引く。
セルB8:= G2 * ( 1 - G5 )
(2)予想BPS(5年後)(円)
直近BPSに自己資本成長率を5回(5年)かけて予想BPSを算出する。
セルB9:= B6 * ( 1 + C8 )^5
(3)予想EPS(5年後)(円)
EPS = 純利益 ÷ 発行済み株式数
=(純資産 ÷ 発行済み株式数)× (純利益 ÷ 純資産)
= BPS × ROE
上の関係式から、5年後の予想EPSを算出する。
セルB10:= B9 * G2
(4)予想株価(5年後)(円)
PER = 株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)
⇒ 株価 = PER × EPS
上の関係式から、5年後の予想株価を算出する。
セルB11:= B10 * G4
(5)期待収益率(%)
5年間の期待収益率を(1/5)乗して年率へ換算する。
セルB12:= ( B11 / B7 )^(1/5) - 1
例題:EPS成長度から計算する
上と同様にA社を例とし、下のExcel画像のセルA2~A4項(EPS~現在の株価)を事前に入力しています。
(1)EPS成長率(%)
5年間のEPS成長率を(1/5)乗して年率へ換算する。
セルB5:= ( F2 / B2 )^(1/5) - 1
(2)予想EPS(5年後)(円)
直近EPSに、EPS成長年率を5回(5年)乗じて、5年後の予想EPSを算出する。
セルB6:= F2 * ( 1 + B5 )^5 - 1
(3)予想株価(5年後)(円)
PER = 株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)
⇒ 株価 = PER × EPS
上の関係式から、5年後の予想株価を算出する。
セルB7:= B6 * G3
(4)期待収益率(%)
5年間の収益率を(1/5)乗して年率へ換算する。
セルB8:= ( B7 / B4)^(1/5) - 1
2通りの方法でA社の期待収益率を計算してみました。計算がやや複雑ですが、そういうものだと割り切ってExcelに任せてしまった方が楽ですね。計算結果である、期待収益率に集中をした方が何倍も効率的です。
さて、若干の違いはあるものの、期待収益率の計算は2つとも14%前後と近い値になりました。A社がこの先も今までと同じように成長した場合、高い精度で収益率14%前後が期待されることがわかります。もちろん、計算通りとはいかないでしょうが、投資の判断材料としては大変有力です。
もし、平均ROEから計算した期待収益率と、EPS成長度から計算した結果に大きな差が出た場合は、企業利益がうまく自己資本の成長に使われていないことが想定されます。配当率が高い(直接的な株主還元を重視する企業)か、経営に問題があるかもしれません。後者の場合は、経営状態をよく確認する必要があります。
4.ファンダメンタル分析を簡単にするツール
ここまで「株初心者でも実践できるファンダメンタル分析」について、具体的なやり方を解説してきました。
「2.ファンダメンタル分析の実践5つのステップ」では、グラフを用いて視覚的に把握する方法を説明しましたが、例題で使用した各グラフはGMOクリック証券が提供している「財務分析ツール」から引用しました。
これらのツールは無料で使用することができます(口座を持っている必要があるため、ちょっと手間があります)ファンダメンタル分析は、企業業績や投資指標のデータを集めるのに時間がかかります。少しでも効率化するために、重宝しています。
《引用元》GMOクリック証券
「財務分析ツール」の機能を一部紹介します。
【企業業績推移】

売上高、営業利益の5~10年間の推移や、営業利益率も視覚的にわかります
【バランスシート】

バランスシートも重要な負債割合(赤色)や、3~10年の推移がひと目でわかります
【企業比較】

同業種の企業比較もできます
【バリュー分析】

株価の割高・割安の目安についても分析されています。最初の選別に便利
【経営分析など】

その他経営分析や、会社四季報の内容も掲載されています
※各画像に使用されているデータはGMOクリック証券から引用です
私はニュースや決算発表で気になった企業があれば、「財務分析ツール」でサクッとファンダメンタル分析をしてみます。投資採算性がありそうならば、具体的に「期待収益率」の計算をしてみる。そんな風に投資判断にかかる時間を節約して、趣味やその他の時間も充実させるようにしています。
5.まとめ「投資マイルールをブラッシュアップ」
長期投資家として成功を納めているウォーレン・バフェットさんは「超然とすること」が大事だと言っています。日々のニュースや市場の短期的な変動に心動かさずに、信じる道を行くことが、中長期投資における成功のコツです。
今回の記事で紹介しました「ファンダメンタル分析」は、まさに我が道を行くための道しるべとなるものです。機械でもないかぎり、全ての物事に人は超然としていられません。迷ったとき冷静になれる指標(マイルール)となるものです。
そして、マイルールは自身の経験や得た知識によって、ブラッシュアップされ、より盤石なものになっていきます。自身のポートフォリオと一緒に、投資家としても成長していきたいですね。
ファンダメンタル分析は、「投資はじめて」から少し踏み込んだ内容になりますが、難しくかまえる必要もありません。使えるツールは使い倒して、簡単に、効率的に、投資以外の時間も楽しめるゆとりのある生活を過ごしましょう。
全体のまとめ
・ファンダメンタル分析とは、投資採算性があるか「企業の経営、財務」を評価すること
※テクニカル分析は、「株価チャート」を統計的に分析。投資家の売買を予想する方法とも言え、中長期投資の手法としてはあまり適さない
・ファンダメンタル分析5つのステップ
(1)企業の競争優位性
(2)右肩上がりの営業利益
(3)フリーキャッシュ(現金)を生んでいるか?
(4)借金は多くないか?
(5)収益性はどうか?
・期待収益率を計算すると検討が具体的になる
⇒ 数値化された目標、軌道修正もしやすい
・期待収益率は、Excelで計算式を設定することで簡単に
・ファンダメンタル分析を簡単にするツール
⇒ 数値データをグラフなどで視覚的にとらえる
※GMOクリック証券
の「財務分析ツール」がとても有用