今回は、ホワイト企業に務めていた私が、東京でセミリタイア生活を送るようになるまでのことを記事にしました。
この記事を通して、下のような悩みや不安を抱えている人に「こんな生き方もあるんだよ」と知ってもらえたら幸いです。
悩みや不安…
・自分の会社や職場は「ブラック」だと感じるが辞められない
辞められない理由:経済的事情、今の仕事に気力を使い果たしている、転職や退職を準備する時間が無いなど
・気が付くと会社と家の往復。生活にゆとりや楽しみがない
・やりたいことがない(好きなことでは経済的に生活できない)
私はホワイト企業からブラック企業へ移り、そして最終的にセミリタイアを選びました。これらの経験は「自分にとって大切なものは何か?」ということを気付かせてくれました。大病をして健康の大事さを知るのと一緒です。
今はストレスフリーな毎日に感謝をしつつ、この生き方を守るために「ちゃんと生活しよう」と会社員であった頃よりも、誠実で前向きな行動がとれています。
ブラック職場に悩んでいる方や、セミリタイアを目指したい方の少しでも参考になれればと思います。
Contents
1.東京でセミリタイア生活をはじめたきっかけ
・ホワイト企業とブラック企業の両方を経験して
きっかけは15年務めていた会社がM&Aされてしまったことでした。
もともとの会社がホワイト企業だったので、まるで肉食獣にガブリ! とやられたように職場環境が激変。はじめのうちは、社員間の競争を過度にあおる社風に歯向かっていましたが、毎日12時間を越える業務は当たり前、深夜に仕事の電話でたたき起こされるような生活に少しずつ、体力的にも精神的にもすり減っていってしまいました。世の中にはもっと穏やかなM&Aもあると思うのですが、私が経験したものは違いました。
そのうち自分にこんな変化が起きていることに気が付きました。
・常にイライラしている
・人に対して優しくなれない
・喜怒哀楽が激しくなる
・何があっても全て会社のせいに感じる
私だけでなく、職場いる人たちに同じような変化が起きていました。このままではメンタルを病んでしまう、ヤバイ! とにかくここから抜け出さないと……その一心で転職活動をはじめました。当時は、転職活動をしていることが心の支えになりました。この会社に一生いるわけではないと、心にゆとりができたのだと思います。
さて、半年かけて何とか内定をこぎつけた転職先でしたが、これまた「超」が付くブラック企業でした。残業代未払い、上司によるパワハラ、不規則で長い拘束時間、仕事の裁量は一切無し。社長自らが社員の前で「うちは黒光りしている」と言ってしまう始末。なかなか入社してみないと内情はわからないものですね。
この会社を2ヶ月できっぱり辞めました。そもそもこの転職は前職から抜け出すことが最優先だったことと、前職のブラック経験を通して、辞めない理由をあれこれ考えるのは時間の無駄だと知っていたからです。
・ブラック企業とホワイト企業の特徴とは?
ブラック企業もホワイト企業も両方経験したからこそわかるそれぞれの特徴は次のようになります。
ブラック企業の特徴
・社員間や部署間の競争を過度にあおる
・強いトップダウン(社長や役員への気の配り方が尋常じゃない・怯えている)
・コンプライアンスに対する意識が低い
※そもそもコンプライアンスをちゃんと定めていないのは論外として、社会的批判を受けないよう「社員に守らせるもの」としている会社は意識が低いです。コンプライアンスは企業として取り組むものだからです
・仕事の裁量が極端にない(目標設定に上司との面談がない。業務前にこれでいいか逐一確認が必要、行き過ぎた頻度の報告など)
・研修がない、不十分、教育研修に対するフィードバックがない
・「見なし残業」という名目で残業代や休日出勤代が不明瞭(払われていないのは論外)
ホワイト企業の特徴
・仕事に裁量が与えられている
・上司に部下の労働時間に対するマネジメント意識がある
・コンプライアンスに対する意識が高い
※社員に不正をさせないためのルールではなく、企業として社会に負っている責任や貢献との意識がある
・教育・研修が充実している(時間的な無理もない)
・労働組合の活動がきちんと行われている(36協定 ※1 やソーシャルサポートの存在)
※1 36協定:残業に対する労使間の決めごと。労働基準法第36条に根拠があるためこう呼ばれる
幸い私は両方を経験することで比較できましたが、就職経験が1社だと、なかなか自分の会社がブラックかどうかわかりませんね。どこもこんなものなのかな? と。場合によっては「こんなこともガマンできないなら、他に行っても一緒だぞ」と脅してくる人が身の回りにいるかもしれません。しかし、上のブラック特徴が複数当てはまるのならば、そんな人の言うことは無視しましょう。
ブラック企業でガマンしたり、私みたいに歯向かってケンカ売るくらいなら、さっさと辞めた方がいいです。辞めてから未払い残業代の請求や、雇用保険の「一身上の都合」扱いに異議を申し立てるなど必要な手続きをとった方がいいです。そうすることで、ブラック企業は自然淘汰されていきます。
関連記事:「ブラック企業の辞め方、損をしないために(雇用保険や健康保険の減免)」
2.セミリタイア生活のはじまり
・セミリタイアの定義は曖昧ですね
短い期間で続けて退職をすることになりましたが、不思議と後悔はありませんでした。
2つの会社のどちらに留まっていても、結局、幸せな人生にはならなかったと思います。退職について人からあれこれ言われても、その人が自分の面倒を見てくれるわけでもありません。
後悔するとしたら、この先、同じようなことを繰り返してしまったときなんでしょうね。
M&Aの経験からは、ニュースやネットで聞いていた「生涯安定の企業など日本にはもうない」と何気なく見聞きしていたことを身をもって知りました。
転職先では、働き方改革など雲の上の出来事に感じる中小企業がたくさんあることをこれまた身をもって知りました。
そしてたどり着いた選択肢が「セミリタイア」でした。セミリタイアは定義が曖昧です。一般的には次のように言われています。
1日の生活時間の多くを拘束するような仕事を退職して、自由な時間・生活を第一に考えていく生き方。副業のようなちょっとした仕事や資産運用で収入を得る。合わせて節約や節税、ミニマリスト(※2)のようなシンプルな生活で支出を抑えていくのが主流。
※2 ミニマリスト:生活に必要な最低限の物だけのライフスタイルを実践する人
・セミリタイアは手段であって目的じゃない
セミリタイアについては、いろいろな考え方があると思います。どれが正解というのもないのでしょうね。いろいろ議論出来た方が、言葉や文化として発展していくので良いことかもしれません。
ただ、もしセミリタイアを目指している方がいらっしゃいましたら、見失ってはいけない大事なことが1つだけ、実感としてあります。セミリタイアは手段であって目的ではないということです。
自分が実現したいライフスタイルのために、セミリタイアという生き方がある。実際に始めてみてそれを痛感しています。
例えば、私が実現したいライフスタイルは次のような感じです。
- 都内に住むこと
- 週末は家族と外食したい
- 1シーズンに1回くらいは旅行に行きたい
- 自宅やカフェでも出来る仕事(ノマド的な仕事)
- 投資を頑張りすぎない
節約のためには高い家賃を払う東京には住まない方がいいです。
ですが、今の私のライフスタイルには「東京」という場所が必要ですし、そもそも節約が直接の目的ではありません。東京に住むという目的のために、必要な節約はもちろんしています。
他にも、在宅ワークで時間的な自由が欲しい(拘束時間が無い)、趣味に費やせる時間をなるべく長くしたい、同人活動や趣味を仕事にしていきたいなど、人によって実現したいライフスタイルがあるはずです。難しく考えずに「なぜ、セミリタイアをしたいのか?」をちょっとだけ掘り下げてみる。そうするとセミリタイアはゴールではなくなります。
セミリタイアがゴールになってしまうと、セミリタイアをした途端に目的がなくなってしまい、膨大な時間を持てあましてしまったり、経済的な不安にいたたまれなくなってしまうかもしれません。いくらお金があっても、約束された収入がないと人は不安になります。
投資も一緒ですね。お金を稼ぐことは手段であって目的ではないはずです。
3.投資をはじめたころ
・右も左もわからない、怪しい情報商材ばかり
セミリタイアをする多くの人にとって「経済的課題」は避けて通れません。生活に必要な収入をどこから得るか? 代表的なやり方が「投資」です。
さて、私のセミリタイア生活は、経済的な準備不十分ではじまってしまったため、資産運用を全くしたことがありませんでした。投資をはじめた頃は、本当に右も左もわからないことだらけでした。
ネットを調べてみても、怪しい情報商材と正しい知識の違いがそもそもわかりませんでした。
本屋に行っても、目を惹くキャッチフレーズが帯に書かれたノウハウ本がズラッと並び、どれが良書なのかもチンプンカンプン。それもそのはずで、投資は目的とスタイルで、やり方が全然変わります。まず、自分に合った投資スタイルを見つけることが大事でした。そこまで理解してたどり着くのにもえらい遠回りをしたと思います。
・自分で判断する力をつけるのが一番近道
私の投資スタイルは、自分のセミリタイアという生活を維持していける「中長期投資」を軸にしています。投資の核となる「分散ポートフォリオ」を作るのに「バリュー投資」の考え方も取り入れ、投資の収益目標を、売却益だけでなく、配当金や分配金も含めた「トータルリターン」で考えるようにしています。
何だかわからない用語が出て来た……と思われた方も当然です。私も最初はさっぱり何のことかわかりませんでしたが、日常で当たり前のように触れているうちに、自然と実践できるようになりました。
投資をはじめた頃の失敗の多くは、金融商品の宣伝やうたい文句の良い部分だけで決めてしまったことによります。誰かに個別の銘柄をおすすめされても、それが本当に良いかどうかはわかりません。選ぶためのポイントを理解して、自分で決めるのが、結局一番失敗がないと今では実感しています。
投資判断の力を養うために「こんなことを教えてくれる人がいたらよかったな」と思うことや「しなくてもいい失敗もあったよなあ」と感じたことを中心に投資についての記事も書いているので、もし興味がありましたらご活用ください。
関連記事:実践的な中長期投資のやり方(わかりやすい3つのステップ)
4.最後に
セミリタイアをしたい理由は人それぞれですし、目指したいライフスタイルによって準備する内容も変わってきます。次回以降の記事では、セミリタイアに必要な検討事項について整理していきます。
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セミリタイア生活の始め方、これだけは検討しておきたい3つの事
セミリタイアに興味があるけれど、どうせできっこないよな・・・と諦める前に、本当に無理か検討してみませんか?必要な資金は1000~5000万円と聞くけれど、本当はいくらなのか等、管理人の実践経験から自分に適したセミリタイアの条件がわかります。
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